お香の原料
Incense Material List
白檀(びゃくだん)
- 【産地】
- インド・インドネシア・オーストラリア・フィジー など
- 【特徴】
- 白檀科の半寄生常緑高木。葉や皮は,ほとんど香らず芯材部分を使用します。世界的に広く使われる香料で,インドのマイソール地方のものが最も良質で老山白檀と呼ばれています。
龍脳(りゅうのう)
- 【産地】
- インドネシア・マレーシア
- 【特徴】
- フタバガキ科の常緑高木より採取される白色の結晶。香料以外にも防虫剤として用いられ,また薬用としては去痰薬などに使用されます。現在は楠木から精製される龍脳が主流です。
丁子(ちょうじ)
- 【産地】
- インドネシア・サンジバル など
- 【特徴】
- フトモモ科のチョウジ木のつぼみを乾燥させたもの。香料以外ではクローブと呼ばれ,スパイスやたばこのフレーバーとして有名です。過去の歴史の中でも非常に貴重とされたもので,薬用としては芳香性健胃薬や鎮痛剤などに使用されます。
桂皮(けいひ)
- 【産地】
- 中国・ベトナム など
- 【特徴】
- シナニッケイ・セイロンニッケイの樹皮を乾燥させたもの。香料以外ではシナモンやカシアと呼ばれ,お菓子のフレーバーなどによく利用され,また薬用としては芳香性健胃薬などに使用されます。
山奈(さんな)
- 【産地】
- 中国 など
- 【特徴】
- 中国南部等に産するショウガ科の植物の根・茎を輪切りにし乾燥させて利用。香料の他に薬用として,健胃薬などとして使用されます。
甘松(かんしょう)
- 【産地】
- 中国・インド など
- 【特徴】
- オミナエシ科の草木の根・茎。香料としては根が適していてクセのある香り。調香の際,甘松を加えることにより香りに奥深さがでてきます。
大茴香(だいういきょう)
- 【産地】
- 中国 など
- 【特徴】
- モクレン科の常緑樹,唐樒の実を乾燥させたもの。香料以外ではスターアニス,八角茴香としてスパイスなどによく用いられ,その他防腐剤,健胃薬として使用されます。
藿香(かっこう)
- 【産地】
- インド・マレーシア・中国 など
- 【特徴】
- シソ科の多年生植物を乾燥させたもの。藿香の精油はパチョリと呼ばれ,香水のベースとしてもよく利用され,薬用としては芳香性健胃薬や風邪薬などに使用されます。
安息香(あんそくこう)
- 【産地】
- インドネシア・ベトナム など
- 【特徴】
- エゴノキ科の安息香樹の樹脂。安息香樹に傷をつけて,にじみ出した樹脂を採取して用います。香料以外には,薬用として鎮咳鎮痛などに使用されます。
乳香(にゅうこう)
- 【産地】
- アフリカ・アラビア・ソマリア など
- 【特徴】
- カンラン科の幹から優出した樹脂。キリスト教の焚香料としても有名で,薬用としては鎮痛,消炎,殺菌などに使用されます。
沈香(じんこう)
- 【産地】
- ベトナム・タイ・マレーシア・インドネシア など
- 【特徴】
- ジンチョウゲ科の常緑高木の中に樹脂が凝結して出来たもので,大変貴重高価な香原料。産地,個体によっても香りの質は異なります。鎮静作用に優れていると言われています。
貝香(かいこう)
- 【産地】
- アフリカ・中国 など
- 【特徴】
- 巻き貝のフタを粉末にしたもので,保香材として香りを安定させるために使用されます。
零陵香(れいりょうこう)
- 【産地】
- 中国
- 【特徴】
- サクラ草科の多年草で葉の部分を香原料として使用。薬用としては,種子の部分を風邪薬などに用います。また,スパイスとしても使われます。
排草香(はいそうこう)
- 【産地】
- インド・マレーシア・中国・台湾 など
- 【特徴】
- 藿香の根を香原料として使用。薬用として,風邪の熱さましなどに用いられています。
木香(もっこう)
- 【産地】
- インド・中国
- 【特徴】
- キク科の木香の根。香料以外では防虫効果があり,薬用としては,鎮痛,消炎作用があります。
椨粉(たぶこ)
- 【産地】
- 日本・台湾・中国 など
- 【特徴】
- タブ樹の葉,樹皮を粉末にしたもので,線香の基材(のり材)や抹香として用います。
しな粉(しなこ)
- 【産地】
- インドネシア・タイ など
- 【特徴】
- 椨粉と同じく線香の基材として用いますが,椨粉よりねばりが強く木の香りも少し強めです。
炭粉(すみこ)
- 【産地】
- 日本・中国 など
- 【特徴】
- 木炭を粉末にしたもので,練香や線香を作るときに使用。着火をよくするために用いるほか,カビ防止のために使用されます。